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概要

kaigaikensyu45

? 5 ?【デンマーク合同研修での講義・訪問施設の概要】1.4 月24 日 月曜日 9:30 ~ 11:20  視 察:Bornehusene Aarup  対応者:Heidi(作業療法士)  報告者:北海道済生会西小樽病院 みどりの里 作業療法士 小玉 武志 Bornehusene Aarup は、障害を持つ子供の幼稚園と、定型児童の保育園(0 ?3 歳児)とが併設されている施設である。障害を持つ子供は0 ?6 歳で、毎日タクシーによって送迎されて登園する。壁には絵がたくさん描かれており、コンセプトを伝えることで企業が描画をしてくれるサービスを利用したということであった。意図が反映されておらずやり直しをしたというほどの徹底ぶりだった。子供の定員は12 名で、保育時間は7:30 ?15:30、朝食を園で摂る子供などもいて、その子の必要性に合わせた支援を行なっている。施設には主に4 つの部屋がある。小さい個別の支援を行う部屋、少し大きめの部屋で真ん中にテーブルがあり、右端には個別スペースが用意された部屋、四隅にそれぞれ個別スペースが用意された一番大きな部屋、そして最後に主にセラピーを行うときに使う部屋がある。それぞれの部屋は目的に合わせた子供が使うようになっており、一番大きな部屋には小学校を控えた子供が、それぞれ個別のプログラムを行うようになっており、最大で6 名が同時に進行することもある。少し大きめの部屋は集団で同じ活動を行うために使用することが多い。これらの部屋以外に、トイレ、プールがある。プール活動以外にも乗馬を取り入れた活動も行なっている。また、全ての部屋の天井には介助リフトが備え付けられている。デンマークでは、子供を決して抱っこして移動してはいけない事になっており、自ら移動・移乗ができない子供はリフトを使用する事に決まっている。 このような施設に入園する子供は、コミューンによって運営されている児童精神判定チームによって判定をされて利用する事になる。そこでは、親の希望を尊重しつつ、子供にとっての必要性が最終的に優先される。職員はペタゴーの他に、作業療法士と理学療法士がそれぞれ配置されている。1 人のペタゴーにつき2 人の子供を担当する事になっており、セラピストは担当を持つ事なく必要に応じてセラピーの時間を確保している。小学校への移行については、学習に対する取り組みについて有効な見通しが持てた場合のみ留年することがあるが、それ以外には判定チームによって定められた学校への入学準備を行うのが一般的である。これらの連携には5 月頃より(入学は8 月)学校と幼稚園の間で行き来が行われ、情報交換がなされる。現在はプロジェクトとして統合保育という視点から定型児童の保育園に5 名の園児が通っている。 職員は基本的に子供が帰ると勤務は終了である。月に一度の全体会議以外は、記録をとる時間は日中の時間に週2 時間、子供に関わる事なく書類業務を行う時間が確保されている。これらの記録は全てデジタル化されており、入園とともにログインID を受け取り、それを利用する事で日々の子供の様子を親が知ることができるようになる。活動の内容には、それぞれの専門職ごとに定めた目標が反映される。