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概要

kaigaikensyu45

? 61 ?に訪れる機会が設けられているが、これは有料となっている。費用は来年度のミュージカルで使う衣装代などに使われる。(2) 統合教育について それぞれのクラスには車椅子を利用している生徒、ダウン症の生徒、片麻痺で移動に介助が必要な生徒、全盲の生徒など、多くの障害児が登校している。車いすを利用する生徒のために、構内には2 機のエレベーターが設置されている。利用するためにはボタンはなく、鍵が必要で教員と必要な生徒にしか配布されていない。たとえ障害があっても介助があれば階段を利用できるのであれば、階段を使って4 階まで上がることになる。介助は生徒同士で行う。教員が介助を行うこともあるが、集団での移動時が主で、休憩時間や登下校時には生徒同士で行なっていた。 授業中、同じ教室内で、同じ授業を受けるが、理解の程度は明らかに異なっている。教員はサポートに1 名が必要ならば様子を伺い、手助けを行うこともある。文字学習の際には、他の生徒はハサミで字を切り取って貼るなどしている時に、粘土で文字を作るなど、同じ授業をできる活動を通して行なっている。一方で、難しいと判断される場合、時々個別の授業を行うことがある。個別の授業はPC を使ったコミュニケーションの練習であったり、歩行器を使った運動であったりする。これらの活動には必ず教員かペタゴジカルワーカーがついており、その時間の学びをサポートするようになっている。(3) 障害をもつ生徒との関わり①  車いすを利用している脳性麻痺の少年    もっとも多くの関わりを持つことができた少年。話すことはできないが、多くのことを理解しており、発声によって意思を表出することができる。他の生徒(特に女児)と関わることを非常に楽しんでおり、笑顔が印象的な少年であった。彼の朝食はその日の担当の生徒があげることになっている。飲み物や食べ物を小さく切り分け、彼の口に運んであげる。2 名の生徒が順番に彼の介助を行なっており、自身の朝食も一緒にとっていた。授業中も彼が部屋を離れる時、または部屋に戻るときに(授業中にもかかわらず)ハイタッチをしたり、名前を呼んで迎えてくれる。彼のPC の授業や歩行の練習、グラマーや体育の授業などを見学することができた。彼にはMarcus 氏という専門の教員がサポートについていた。最終日の午前中は彼の支援に使う新しいTobii システム(視線入力装置)の評価に同行することができた。場所は地域のヘルスセンターであり、センターの職員が彼の評価を行なっていた。3 名の教員と2 名の職員、それに母親が加わり、互いに意見を述べていく。一方で、評価の仕方には疑問を感じる場面があり、Marcus 氏もややあきれた様子であった。ヘルスセンターにいる職員であっても、全ての支援機器に精通しているわけではない様子であった。