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概要

kaigaikensyu45

? 40 ?家族内における自身の役割に気付き申請を取り下げたとのこと。ある入居者は40 歳代より進行性の病気で10 年以上この施設に入居しているのだが、子供の成長の過渡期における様々な課題、夫の社会的地位の変遷により変わりゆく家族形態の課題など、入居者のみではなく、その家族に対してもサポートを行うのである。入居者本人や家族と深く関わっていく中で、表出される課題に真摯に向き合っている。 入所後間もない入居者に対してアセスメントを行う。看護・介護アセスメントは入居前や入居日に行われているが、ソーシャルワーカーは入居後に、生活面や社会的背景、想いなどのアセスメントを行う。これは入居者本人を理解したうえで、より良いケアを提供するためである。この貴重な情報は、他職種でも共有され、全職種が入居者を理解したうえで、質の高いケアを提供する目的で使用される。内容は出生地、移民の場合カナダに到着した日にち(この日にちにより受けられる福祉制度が異なる)、法的にカナダ市民であるか、学歴や家族構成、経済状況といった事実の情報収集のほか、信頼している人や組織の有無、大切だと感じる人やアクティビティ、チャプランが配置されていることを説明しながら信仰の有無、重要なライフイベント、入居者が感じている自分を取り巻く環境、心配事、死に対する不安の有無など精神心理的な想いも情報収集する。多民族国家であるカナダでは、一人一人の生活背景が違うため、ソーシャルワーカーは面接技術を駆使しながらアセスメントを行うのである。もちろんアセスメントはソーシャルワーカーの社会福祉制度の熟知、時代や社会背景の知識、共感力、個別化などが必要である。全職種のチームワークと、一人一人の入居者を大切に思う気持ちとが融合され、入所者に快適な生活を提供できるのである。Ⅴ おわりに 地域包括ケアシステムを推進する中で、「高齢者を含めた住民が、自然体で、共助の力で、地域で生活を送り続ける地域づくりをどのように支援したらよいのか」という疑問を持ち、ヒントを得たく3 か国の諸外国で研修を希望した。デンマーク、アメリカ、カナダで研修をして強く感じたのは「個」である住人一人一人の尊重である。一人一人が、自身の生活の快適さを自己決定する強さと、それに伴う、相手を尊重する責任を持っていることを感じた。すなわち、個人の快適な生活の追求と相手の尊重が、「個」の集合体である地域を形成するのである。日本の医療福祉は与えることに主眼を置いてきたが、これからは住民の持つ力を信じて最大限に引き出すことが必要ではないだろうか。日本では、最期の時間を自宅で過ごしたいと望む方が約55%に対して、実際病院で最期の時間を迎える方は約75%である。自宅で暮らし続けたいという希望があっても、それを選択、自己決定できない状況にあるといえる。ケアマネジャー、ソーシャルワーカーとして、レジデンス担当ソーシャルワーカーと