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概要

kaigaikensyu45

? 35 ? 救急外来は、8:00 ~ 20:00 で診療を行っており、14 床で救急治療を行う。入院が必要な患者は救急病棟に移動する。この時間帯は必ず専属のソーシャルワーカーが配置され、救急外来から介入依頼がある患者や、電子カルテ上で何らかの危険リスクがある患者に介入している。介入した患者が入院し、引き続き何らかのソーシャルワーカーの介入が必要と判断した場合、救急病棟担当のソーシャルワーカーに引き継ぐなど連携を図り、患者が安心して療養できるよう努めている。(2)レジデンスにおけるソーシャルワーカーの業務     この病院内には日本でいう老人ホームのような特徴を持つレジデンスがある。4 ユニットで100 名の入居者が生活を送るが、93%は中国系カナダ人である。入居基準は、在宅サービスを利用しても在宅生活継続が困難とヘルスオフィスが判断した場合であり、緊急性が高い場合は空いているレジデンスに入居し、その後入居者の自己決定が優先され、希望の施設に転居することも可能である。職員はソーシャルワーカー1 名のほか看護師、介護士、OT、PT、リハビリアシスタント、栄養士、薬剤師、音楽療法士が配置され、医師4 名が病院と兼務し、オンコールで駆け付ける体制にある。 エデン・オルタナティブケア理論を導入しており、この理論を学んだ職員が配置されているほか、病院内でありながら熱帯魚が飼われ、植物も多く配置されている。月に数回、職員と入居者のミーティングが行われており、食事やアクティビティの内容などを共に検討し、レジデンスにおける生活の質の改善を図っている。週1 回は外食やドライブツアーなど、外出のアクティビティが行われているほか、一日に5 回程度、麻雀やビンゴゲーム、太極拳やマシンエクササイズ、音楽療法やコンサート、行事食などのアクティビティが企画され、入居者は選んで参加しており、入居者が退屈を感じない取り組みを行っている。この理論を導入してから、入居者だけではなく、職員や入居者家族も活発になり、施設内の雰囲気も明るくなったそうである。 ソーシャルワーカーは入居者のあらゆる相談に応じる。ある50 歳代の中国系カナダ人の入居者との面接では、病院内の売店やカフェに行く頻度や曜日を共に決めていた。言葉にも配慮し、中国語も堪能な音楽療法士も同席し、英語での話し合いで行き違いが無いようにしている。うつ状態の入居者と面接後は、医師や看護師、介護士などと協働し、入居者の想いを多角的に聴くことができるよう努めているなど、とても素晴らしいチームワークが図られていた。2.St. Paul’s Hospital (6 月20 日)  ~総合病院~(1)Medical Assistance in Dying におけるソーシャルワーカーの業務2016 年、カナダで「安楽死制度」が法律上制度として認められた。この制度の希望者の条件は、熱帯魚が鑑賞できるデイルーム