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概要

kaigaikensyu45

? 34 ?OT、PT、ヘルパーが所属し、市民の申請により必要な支援が開始される。支援内容などの情報は専門のウェブサイトにより共有され、公的病院の職員は個人情報保護が徹底されたパソコンからであれば情報を得ることができる。地域で市民のカルテを電子上で共有しているといったところであると考えられる。1.Mt. St. Joseph’s Hospital (6 月19 日)  ~総合病院・老人ホーム~ (1)救急病棟におけるソーシャルワーカーの業務 この病院は、カナダ政府が国民皆保険制度を導入し公的病院となる以前、カナダに移民した中国人が適正な医療を受けられるよう、富裕層の中国人の寄付により創設された時代背景がある。現在も中国系カナダ人の患者が多く、表示も英語と中国語が採用されている。また、平日の午前中は中国語の通訳士が配置され、職員と患者との交流がスムーズに行われるよう配慮されている ソーシャルワーカーは平日毎朝、担当医師全員(患者ごとに入れ替わる)、病棟看護師長、PT、OT、ST、薬剤師が出席するミーティングに参加し、病棟入院中の患者すべての情報交換を行う。カナダでは、医師は入院する全患者に対し、急変時にどの程度の医療処置を望むかを確認する。意識が無いなど意思確認ができない患者に対しては、一時的な決定として、患者家族に確認をする。その情報は全職種に共有される。救急病棟で入退院が多いため、日々情報をスピーディに共有することは重要である。ソーシャルワーカーは出勤すると、週末や前日夜間に入院した患者の情報を電子カルテで確認し(特に他職種から介入依頼がある患者を重点的に)、ミーティングに参加する。 ソーシャルワーカーは、介入依頼があった患者全員と、何らかの社会的リスクが予測される患者のアセスメントを行う。基本的にはアセスメントは患者本人と面接するが、意識の無い人や患者本人から了解を得た場合は、家族や後継人に対しても行う。また、ヘルスオフィスのウェブサイトにソーシャルワーカーのパスワードと患者の健康保険番号を入力し、地域のヘルスオフィスが介入の有無を確認し、介入されていることが確認されれば、ヘルスオフィスのソーシャルワーカーとも連絡を取り、地域での患者の生活状況の情報収集を行う。ソーシャルワーカーは患者自身が英語を話せず、たとえ英語を流暢に話すことができる家族がいても、患者のアセスメントは通訳を導入し、患者の率直な想いを聴けるように努めている。アセスメントを含め、様々な相談業務を行う中で、一日平均8 名の患者や家族と面接を行っているという。救急病棟病室 移乗用リフトが完備Mt. St. Joseph’s Hospital 外観