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概要

kaigaikensyu45

? 17 ? さらに、教育も無料であるだけではなく、義務教育が始まる年齢も決して固定されているわけではない。日本では年齢が来ると自動的に小学校への入学が決まるが、デンマークでは個人の学びの質によって入学を1 年先伸ばしにすることができることにも驚いた。障がい児の幼稚園や、特別支援学校においても、個人の学びに重きが置かれており、何を教えるかよりも、何を学ぶことができたかが重要であることに共感した。これらの基礎教育は、デンマークの国を支える基盤となり、社会福祉が継続するために必要不可欠な要素であると感じることができた。これから教育を受ける子どもにとって、初等教育こそが重要であり、そこに国家として何を重視していくのかが明確でなければならない。少なくとも、今の日本のように算数や国語を学ぶことだけが教育ではないということを、遠いデンマークの地で再確認することができた。 今回、合同研修を行い最も感じたことが、人に対する「感謝」である。まずは財団から紹介を受け、簡単な自己紹介と学びたいテーマの中から、我々の希望をこんなにも汲み取っていただき、多数の施設への見学を実現してくれたMomoyo 先生には、感謝が絶えない。流暢なデンマーク語で我々の理解を助けてくださり、デンマークの福祉について、拙い英語では決して辿り着かないであろう深い部分まで教えて頂いた。山本勇輝さんには、初日の空港から最終日のバス停まで、最初から最後まで、事細かに気にかけてくださった。貴重なプライベートの時間にも日本の未来や福祉のことを話し合う機会を作っていただいたり、お世話になりっぱなしであった。千葉先生は豊富な語彙と言葉巧みな話術を用いて、我々が福祉とは何かを考え、その本質に迫るために導いてくださった。若かりし頃の非行少年・少女のバス旅行のエピソードの数々は面白くもあり、千葉先生の人間性に触れることができ、貴重な体験であった。また、今回の合同研修を一緒に行った佐藤さんには、いつも仲間がいるという安心感と、様々な日本の現状の側面を教えていただき、研修に対する不安を取り除いていただいた。さらに、ノーフュンスホイスコーレに通う日本の学生にも、多くの刺激をもらうことができた。その後の個人研修のために良いスタートを切ることができたのも、皆さんのおかげである。言葉では言い表せないほどに「感謝」している。