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概要

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Ⅳオーストラリア(5月7日~5月28日)シドニー(ノースサウスウェールズ州)1.Mental Health Coordinating Council(精神保健コーディネート協議会)~精神保健サービス支援機関~メンタルヘルスコーディネート協議会(以下、MHCCと称す)は、ノースサウスウェールズ州(NSW州)にある精神保健サービス団体の支援機関で、スタッフの多くは、精神保健サービスを利用している当事者、もしくはその家族で構成されている。MHCCは、ピアサポーターの養成講座も企画運営している。養成講座は、4段階あって、ネットワークの構築、権利擁護、倫理要綱、セルフケア等の内容を学んで行く。その他、MHCCの役割は多岐に亘り、リカバリー(回復)思考のサービスを支援していて、「リカバリーラングェージガイド」(リカバリー用語集)という日常使っている言葉を、よりリカバリーを促進する為に使うガイドラインを発表している。他にも、NSW州の各地域にある家族会の支援、ピアサポートの促進を図っている。2.全国精神保健コンシューマー、ケアラーワークショップ~全国精神保健当事者と家族の為のワークショップ~このワークショップは、オーストラリアの全国当事者と家族団体が主催している毎年の恒例行事である。今年はメルボルンで開かれて、私の研修をコーディネートしてくれたジャネットさんが全国当事者団体のメンバーという事で参加する事ができた。このワークショップに参加するにあたっては、ご招待(掛かる費用負担はゼロ)するので、インターナショナルゲストスピーカーとして日本の精神保健の現状を発表して欲しいというのが条件であった。かなりハードルが高く感じられたが、このような経験は二度とないかも知れない、と覚悟を決めて参加した。本番はかなり緊張したが、私が住んでいる沖縄の歴史的背景、日本の自殺者問題と「病棟転換型居住系施設」(重度の精神障害者-退院して地域で暮らす事が困難な者-を精神病院の敷地内に住居を与えて住まわせる法律)について報告した。私は病棟転換型居住系施設について、オーストラリアの当事者団体がどの様に感じ、考えるのかということに興味があったからである。3.Richmond PRA(リッチモンドPRA)~ピア(当事者)が運営する精神保健サービス支援団体~リッチモンドPRAは、ピアワーカーの雇用促進に力を入れている団体である。組織のスタッフの半数は当事者である。私を案内してくれたジェネラルマネジャーの方も当事者であった。?66?