ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

kaigaikenshu_44

(5)里親(Karin G.Ravn)Karinさんは今までに3人の里親をされ、そのうち2人は乳児の時から預かり、現在では自立し今でも家族のような関わりを持っている。1人は仕事に就き、1人は学生で、パートナーの実家で一緒に過ごしている。もう1人は里親宅に来ても落ち着かず、施設入所が望ましいと判断され、現在施設入所中である。里子として預かった3人全員の写真が家の中に飾られていた。7月に新しい里子が2名やってくる予定を楽しみにしておKarinさんと家の前にてり、家の写真を撮って1冊の本を作り、これから来る里子に渡すそうである。里親になるためには、まず自身で申請を行い、里親にとって必要なスキルや条件を満たしているかの審査を受ける。面談は月に1回程度、3ケ月間行われ、里親になる気持ちに変化がないかを確認される。これは里子を引き受けた後、継続して里親であり続けていくためにも必要である。また、里親になる前に5日間の研修、里親になった後も1回2日間の研修を年2回受里子のための浴槽付きお風呂ける必要がある。里親は夫婦揃って認定を受ける。研修内容はネグレクトや法律、養育方法に関してなど様々であるが、Karinさんが役に立つと思ったのは、夫婦関係や実子への対応についての研修で、里子と一緒に暮らした、里親の実子の声を直接聞く機会はとても勉強になったとのこと。里親に委託される時点で、里子の支援計画は決まっており、実の親にどの程度の頻度で会うのかなども決定されている。里親はCWの作ったプランに従いながら養育を行い、実の親との関係づくりにも努力する。実の親と里親の関係が良好であれば里子も安定する傾向にある。プランは決定されているが、子どもの状況や様子から変更が必要だと思えば随時CWに連絡をとり変更を打診することも可能である。里親は半年に1回子どもの状況のレポートを作成しCWと話し合い、次の半年の支援計画を決める。この話し合いに実の親が参加することも可能である。つまり、里親は里子が自身の子ではないことを理解し、里親になる時点で里子の実の親との関係を持つことを理解し、プロとしての対応を求められる。ただ、子どもに接するときはできる限り普通の親子関係であることも意識している。ここにどうしてもジレンマが発生するとKarinさんはおっしゃっている。里親がプロとしての意識を持つことはとても大切なことで、また、そのプロ意識を養う意味で、里親になるための審査の際に里親がどういうものであるかを里親希望者に理解してもらうことがいかに重要であるかを認識させられた。しかし、プロの里親と言っても一人で全てを解決できる訳ではなく、CWが支援計画を決め、それについての責任を持った上で、委託後は一緒に支援計画を考え、フォローし合う関係がとても大切である。また、里親が職業として成り立つだけの給料(日本での里親手当にあたる)を与えられていることもデンマークの里親のプロ意識を養?42?