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概要

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(4)Gl. Hojgaard(ガムレホイガード:児童養護施設・特別支援学校)ここは私立の児童養護施設である。ここも前述の児童養護施設と同様で、治療的役割を持っており、特別支援学校を併せ持っている。つまり、デンマークでは可能な子どもは皆里親に預けられ、児童養護施設はより専門的な施設という位置付けとなる。ここの児童養護施設には14歳から17歳までの6人の子どもがいる。規定としては6歳から23歳までいられる。その内、4ガムレホイガード特別支援学校教室名が施設内の特別支援学校に通っており、1人は入所前に通っていた別の特別支援学校に、もう1人は職業訓練に行っている。ここの子どもたちも親との交流はあるが、家庭復帰は見込めない子どもが多く、ほぼ自立する。また、この施設は地方にあるため、周りの子どもたちとの悪い関係を断ち切る目的で施設に入所して来る子どももいる。1日のスケジュールとしては、6時半起床~朝食~8時登校~14時帰宅~15時までは「静かに過ごす時間」(各自が自分の部屋で静かに過ごす)。様々な問題を抱えた子どもたちにとって、この「静かに過ごす時間」を持つことはとても大切な事であると考えられている。15時からおやつを食べ、その後1日のスケジュールを確認し合う。食事の準備など、その日に役割のある子どもは役割を行い、その他の子どもたちはスポーツをガムレホイガードグラウンドしたり散歩をする。18時夕食、21時~22時には就寝となる。就寝時間が早いように感じられるが、殆どの子どもたちは疲れて、その時間には寝てしまうようだ。週末に時々出かけることはあるが、皆を連れて一緒に行動するのは難しく、施設内で楽しめる活動を考えるなど、暇を持て余す事のないよう配慮している。スタッフの中にバイクに詳しい職員がいて、敷地内でバイクの乗り方を教えていた。Langebyhus(p.38)に比べて、生活の中では更に決まりごとが多く、問題の多い子どもが暮らしているようだが、ここで働く職員は、公立の施設で手に負えなくなり私立の施設に移動してくるという流れであるとは感じていないようである。この施設に入所するまでに、異なる方法でいろいろな支援が試されたが上手くいかずに、結果としてここに来ていると理解されていた。他の支援では上手く適応できずここの入所に至るが、里親にいた経験のある子どもの方が子ども自身の状態としてはいい傾向にあるようである。この施設も、子どもたちが施設内で問題を起こしても、別の施設に行かせたりする事はない。デンマークでは児童養護施設は子どもたちにとって最後の居場所なのかもしれない。?41?