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概要

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や里親に預けられる子どもは犯罪率が高いことや知能指数が低いことなどが報告されている。この件に関して、ケーティエー(Kati,A)の決議というものがあり、アメリカでは全ての社会的養護を受ける児童はメンタルヘルスのサービスも受けられるようになっている。児童福祉とメンタルヘルスは切り離せない分野なのである。また、今回、個人的に強調したいことは、海外の制度や言葉を日本で使用する場合の和訳及び解釈についてである。日本で“フォスターケア(Foster care)”という言葉は“里親制度”と訳されることも多い。しかし、アメリカでのFoster careの意味は日本で言う社会的養護全体のことであり、里親と言いたい場合はフォスターファミリー(Foster family)となる。ラム氏の講義を受けている間、この単語のために話が分からなくなるところがあった。私が今回、この報告書に記載しているラップアラウンド(Wraparound)やパーマネンシー(Permanency)などの言葉の訳や説明が間違っていないことを願うばかりである。6.4月14日10:00~11:00視察先:NIAD Art Center(就労支援)対応者:Deborah Dyer(Executive Director)報告者:比嘉寿NIADは、1982年にカリフォルニア州のリッチモンドに創設された障害者の為のアートセンターである。NIADの創設理念は「障害を持つアーティストが、彼等の持つ現代アートを創造していく力を表現することで、意義深い自立した人生が送れるようにプロモートする」ことである。NIADは、街の郊外の住宅地に工房を構えており、工房に入ると目の前のアートギャラリーで、工房のアーティスト作品を展示、販売している。ここの代表のデボラさんが私達を案内してくれた。ババさん(最近他界した)という90歳代になるNIADの歴史とも言える方の作品を紹介してくれたのだが、彼にとってここは、単なる工房ではなく、コミュニティそのものであり、毎日休むこともなく工房に通っていたそうである。他のアーティストも皆、彼についてよく話をしてくれて、彼が皆から慕われていた存在で、愛されていた人であったことを強く感じさせられた。NIADのプログラムは、日々の工房での作品作りと、月に一度の展覧会開催である。おおよそ30名の方がリージョナルセンターを通して登録していて、一日約15名が工房に来ている。ここの運営は、通所者の給付金が全体の2/3、残りの1/3を寄付や助成金、そして作品の販売収益で賄っている。NIADのスタッフは全員が大学などでアートを専攻したアーティストである。ボランティアの人々もコミュニティに根付くよう、積極的に受け入れていた。ここで働く時に心がけている事を尋ねると、利用者が作品を手掛けている時には、その方の自由意思を尊重して、自分のペースを保ち無理がないように配慮をする、また彼等の創造性を損なわないように、技術面や感想等を求められた時以外は、余計なサポートをしないことであるそうだ。アーティストのジャンルは油絵や水彩画、陶芸、手芸、木工など多彩で、作品を描いているキャ?9?