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概要

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【サンフランシスコ合同研修での訪問施設・講義の概要】1.4月6日13:30~15:00講義:「アメリカの社会福祉」講師:Ms.Rita高橋(サンフランシスコ州立大学社会福祉学部長)報告者:森脇美知サンフランシスコに到着後、間もなくMs.Rita Takahashiによる講義が始まった。長時間のフライトと時差により少々疲れていたものの、エネルギー溢れる講義に皆すぐに引き込まれていった。アメリカの社会問題は社会福祉のプログラムと強く結びついている。ソーシャルワーカー(以下SWとする)の理念は社会正義、平等、異文化の尊重が主な柱となっている。SWの活動は3つに分類することが出来る。一つはSWとクライアントの一対一で行われる1マイクロプラクティス(Micro Practice)、次に大きな組織の中でマネジメントを行う2メゾプラクティス(MezzoPractice)、最後に地域と社会の中で制度を改革する活動への参加をする3マクロプラクティス(Macro Practice)がある。一般的には多くのSWが1の活動をしており、2、3の活動をしているSWは少ないとされているが、近年では、2、3の活動へも関与する傾向にあるとのこと。SWとして仕事をするのであれば、制度がある事により、サービスを供給していけるという事を理解し、その義務や責任を果たさなければならないとの事であった。SWの中でも政治に携わり、制度を作る場に身を置き、社会を大きく揺り動かして活動をしている方がいるそうである。歴史的にみると、もともとプライベートのソーシャルワークは無償で行われていたが、現在ではソーシャルワーカービジネスとして様々なフィールドの組織が雇用を始め、色々な活動が行われるようになっている。10年ほど前のサンフランシスコの学校やその他の教育機関では、100万ドルの規模でソーシャルワークビジネスが行われるようになった。また、現在ではアメリカにおいてお年寄り向けのサービスが増加し、有効な方法を見出すために老人学の問題を探りながら障害者サービスの制度を作り、その際にSWの力が必要とされている。社会の中では様々な分野でSWの知識が求められており、警察官、学者、政治家などの間でSWのトレーニングが行われ、業務に役立てられている。アメリカでは白人の警官による有色人種への差別問題、ゲイ、レズビアン、性同一性障がい等のマイノリティーの方への同様の差別も問題となっている。それらの繊細な問題の数々はSWの介入により、解決へと導かれる事も多い。時代の流れと共に、社会の抱える問題も変化してきている。国、州により、歴史的背景は異なり、抱える問題も多様である。それに伴い、求められるサービスの内容も幅広くなってきている。その他、質疑応答も含めて、Dr.リタ氏の講義に学ぶ事は多く、文化の違いに驚きつつ、アメリカの社会福祉についての理解を深めることが出来た。また、その後の研修に期待を膨らませ、良い合同研修のスタートを切る事が出来た。?5?