ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

kaigaikenshu_43

れるかを各々の方に合った方法で考案し、自立へと導いていた。身体に障がいのある方には育児アイテムの改良や開発により子育てを可能に、また発達面で支えの必要な方には育児法を視覚に訴え、理解しやすい方法でサポートをしている。障がいを理由に離婚時に親権を奪われるケースでは、子育てが可能な事を証明する役割も担う等幅広く活動をしている。国と国とで文化が違うように、障がいのある方と無い方では文化が違うと捉えると良いと教わった。今まで自分が他国の文化を理解したいと思ってきたように、障がいのある方の文化を知っていきたいと感じ、周りの社会が変わるべきである事を痛感した。Ed Roberts Campusでは障がい者にとって利便性の高い施設が併設され、総合的にサポート出来るシステムが確立しており、福祉の活動が活発な地域として知られているサンフランシスコの一面に触れさせて頂いた。ABC Industries(発達障がい者のための家)では、クライエントが作業を通して自立に向かい社会と繋がりながら生活するシステムが整えられていた。伊藤イネ子氏によるカリフォルニアにおける発達障害サービスの講義ではクライエントの姿、環境、詳しいサポートのシステム等について学んだ。慣れない土地で障がいを抱える子どもが産まれたら、言語や文化、システムの違いに大きく戸惑い困惑するであろう。その様な時に専門的な知識を持ち合わせたSWが目の前に現れ、福祉システムとその親子を結びつけてくれるならば、とても心強く感じるであろう。SWの存在の大きさを感じた。Eden Issei TerraceやKotobuki Houseでは、日系人、アジア人のお年寄りの施設での生活に触れる機会を頂き、様々な人生、そこに至るまでの歴史、社会福祉の役割を肌で感じさせて頂いた。ABC Preschool(日英両語多文化併用プリスクール)、Edgewood Center For Children AndFamilies(児童家庭センター)では、アメリカでの子ども達の現状とそれを取り巻く環境や、より幸せな道を歩んでいけるように支えている周りの大人の姿に多くの事を学ばされた。短い期間であっても合同研修での出来事は自分自身の考えを大きく変化させ、ここでの出会いや学びが、自分自身の心に深く刻み込まれると共に、その後の3カ国での個人研修中の大きな支えとなった。アメリカの厳しい競争社会や世界に比べて日本がどの様な国であるかを考えさせられ、自分自身を知る良い機会となった。これから社会福祉や世の中の事について学んでいこう、学んだ事を日本の保育士や保護者、子ども達に伝えたいと強く思っている。アメリカの福祉について、人間としての優しさや厳しさ、逞しさ等、沢山の事を教わり支えて頂いた直井知恵氏始め、全ての研修先の職員の皆様方、共に支え合った研修生の皆さん、全ての皆様に感謝の気持ちを申し上げる。この合同研修で経験した事を元に、社会福祉に携わる者の1人として今後何が出来るかを考えていきたい。Ⅳ.NPO法人生活自立研究会グループホームとみうらサービス管理責任者福谷理恵アメリカの福祉といえば、日本では、エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen、1947~)の福祉レジーム論における「自由主義レジーム」をふまえた解説をよく耳にする。すなわち、「リスク管理に対する個人的責任、市場の役割を重視した社会保障であり、公的制度による社会保障は、?14?