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概要

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8.4月10日13:00~15:00視察先:Kotobuki House, Union City(高齢者と障害者のためのターミナルケアグループホーム)対応者:Mr.Masa Fukuizumi (Manager)報告者:武智薫“ことぶきハウス”は日系移民者の高齢化対策の一つとしてコミュニティの有志が寄付し、家屋を購入。介護を必要とするご家族に賃貸形式にてサービスを提供したのが始まりである。現在はカリフォルニア州より正式に“特別例外許可”を受け、ご家族の了承を経てターミナルケアを提供している在宅介護施設である。現在、入居者は5人(内、日系の方は3人)。入居者の平均年齢が93歳であった。施設の最大のキャパシティは7人。特別認可を受けているので、介護者であるご家族の許可があれば施設が直接サービスを提供する事ができる。財源は月に最大3,000ドルの援助が州政府から、残りを家族が支払うシステムになっている。入居者が日中過ごすリビングでは日本のTVが放映されていて、スタッフは全員日本人。コミュニケーションも日本語で行われていた。日本人の入居者の方とお話させて頂いたが、自身のお話よりも私達を気遣う言葉が多く聞かれ、日本人の“おもいやり”の心が、ここカリフォルニアの地でも強く感じられありがたく嬉しかった。家族の許可があれば、インスリン注射や胃瘻などの医学的な処置対応も可能とのことであったが、緊急時は入居時に記入してもらう“Physician Order for Life-SustainingTreatment(POLST)に基づいて対応される。POLSTは心肺蘇生処置、医療的な処置(病院への搬送希望の有無も含む)、胃瘻処置などについてチェック方式で記入する用紙で、本人やその家族などが記入する事ができる。最初に記入された希望に沿って処置が行われ、その後に担当するメディカルスタッフの指示を仰ぐというシステムである。以前は日本でも人生の終局を自宅で暮らす事が多かったが、現在では病院で過ごすのが主流となった。在宅でのターミナルケアは費用や介護者への負担が大きいというのが実際である。しかし、今後地域包括ケアシステムが構築されていく中で、“Aging in place(住み慣れた地域でその人らしく最期まで)”という考え方で、人生の終局をどこで過ごすのか、何がその人にとって最優先事項なのか、“自己決定・自己選択”はどのようにして実現されるべきか、今回の研修を通して改めて考えさせられた。?11?