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概要

kaigaikensyu46

? 12 ?在宅介護支援をする上で「どれだけ自立できるか」を大切にしている。対象者のニーズをキャッチすると、まずは“リハビリトレーニングチーム”が様々な補助具を全て家に持ち込み、残された本人の資源を駆使して総合的に自立可能か判断する。自立可能と判断された場合、介入の対象とはならないが、これ以上の改善は難しいと判断された場合、一般的な在宅介護の介入対象となる。よって、一般的な在宅介護支援対象者は重度な方が多いとのことであった。トレーニングチームはヘルパー、アシスタント(医療のできる介護)、療法士、看護師等で構成されている。高齢者にとどまらず、がん等によるターミナル期の方等も対象としているそうだ。在宅サービスには、依存症や精神病患者対象のチームも存在する。デンマークにはいわゆる社会的入院は存在しない。入院中にリハビリするよりも、日常的に使用しているものを活用した在宅リハビリの方が効果が高く、モチベーションの向上にもつながることが分かっているからだ。さらに、在宅で受け入れ可能な専門性の高さも持ち合わせている。デンマークでは基本資格は持っていて当たり前で、それに加えて排泄、トランスファー、感染症、信頼関係の構築、労働環境改善等様々な専門分野での資格を取得しているとのことであった。また、IT を積極的に導入している。在宅サービス職員は専用の鍵を所持し、「誰が」「いつ」「どの家に」使用したか履歴に残るシステムとなっている。カテーテルやオムツを外すトレーニングには“チップ入りオムツ”を導入しており、「いつ」「どのくらい」尿が出たかロボットに送られる情報からトレーニングを行う適切な時間を把握している。当事者が安心感を得られる時期が早くなったことで外出が増えたり、必要以上に大きなオムツをする必要がないため経済的な効果がみられたりと良い結果を生み出している。ただ、テクノロジーの使用には倫理・投資等様々なことを考慮する必要があり、バランスが大切であるとMaria 氏はおっしゃっていた。在宅サービスにおいては「予防・早期発見」も重要であるが、デンマークではバイタルサイン、栄養スクリーニングにおいて共通のスケールが存在する。内容を見せていただいたが、「パンは何枚食べたか」「食事介助は必要か」等、誰でも簡単にできる質問項目となっていた。結果から、緑(通常)、黄色(要注意)、赤(医療の必要性が高い)に分けて対応することで、誰でも予防・早期発見ができるとともに、情報共有も可能となっている。在宅サービスの一つとして、どのコミューンにおいても“ナースクリニック”というのが存在している。以前は訪問看護が行っていたが、ひとりひとり訪問するよりも、来れる人には来てもらった方が効率がよいというのが理由だそうだ。考えてみれば当たり前の話であるが、ハッと気付かされた瞬間である。また、専門性の向上によって医師の仕事が看護師へ、看護師の仕事がアシスタントへと移行してきているため、従来のナースクリニックに代わる“在宅クリニック”の開設を計画中であるとのことだった。在宅職員における専門性の高さを存分に感じさせられた時間であった。専門職が専門職として自身のスキルを信じ、また、コミューン全体での連帯によってサポートが実現していると感じた。日本が今目指している地域包括ケアシステムが確かに存在していた。