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概要

kaigaikensyu46

? 8 ?3.4 月24 日(火) 10:00 ~ 12:00  講 義:「パリアティブケア・看取り支援・終末期」  講 師:プロジェクトリーダー Mejse Holstein  報告者:田川 雄一「スベンボーコミューン高齢者、私の最期のとき」というタイトルでパリアティブケア・看取り支援・終末期について学んだ。デンマークでは看取り支援だけではないが、高齢者や障害者などのニーズを抱える人々に対して、地方自治体がそれぞれのセクションに分かれて、決定権を担っている。看取り期においては、それぞれの専門職がアセスメントを行い、合議体で支援が必要かどうかの判定を行う。そして、それぞれの施設や在宅で最期を迎えるための準備を行い、たくさんの専門職が関わっている。プロジェクトリーダーのMejse Holstein さんは、初めに一枚のスライドを映写し、「私たちのコンセプトはここに辿り着いた」と言った。そのスライドの意味はスヌーピーとその飼い主であるチャーリー・ブラウンの会話の中にあった。チャーリーは問う。「僕たちはいつか死ぬんだよね?」、その問いに対して、スヌーピーは答えた。「でもその日以外は生きているよね…」「人間はいつか死に絶えるものである。でも、それはたった一日に過ぎない。その一日以外は人として尊い命があり、欲のために生きているのである。」という意味だった。看取りに対してのプロジェクトをスタートアップして2 年6 か月、167 件のケースを経験して辿り着いたコンセプトがそれだった。経験を重ねる上で分かったことは、“システムに個々を合わせるのではない”、“システムが個々に合わせるのだ”と言った。要は、本人の願いや思いをゴールとして考えること、そして最期に本人や家族が思っていたとおりになったかどうかを評価することが大切であり、また、もう一つのゴールは、それらに関わる専門職たちが、「自分たちの仕事は専門性のあるプロである」という自覚を持って働くことが大切だと語った。そして最近分かってきたことは、早期発見が重要であるということだ。その意味は、看取り期に入る前の段階から動くということである。彼らは、その人と出会った瞬間から、“この人は1年後に生きているだろうか?”ということについて専門性をもって考えるようにしている。少しの変化に気づくためには情報の共有が欠かせないと言う。デンマークではICT(Information andCommunication Technology) システムの導入として、情報共有アプリを使っている。それは各スマートフォンで対象者の状態をリアルタイムにチェックすることが出き、それは勤務以外の場合でも毎日チェックして、わずかな変化にも見逃さないようにしている。そして、それらのシステムは関わる専門職の統一されたコミュニケーションツールとしても使用され、ガイドラインを決めて本人の願いや思いを共有し、それに応えるようにしている。これらを繰り返し、本人の思う人生の最期が来るように、“死に向かって共に歩んでいくことを”を大切にしているということが理解できた。実際の統計では、“自分の死にたい場所で死ぬことが出来た”と思える、つまり自宅で最期を迎