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された利用者本人の了解が得られなければ、介入できないとのことである。日本でも高齢者への虐待が大きな問題となっている。医療従事者をはじめ地域の人々に広く、高齢者虐待についての関心を持っていただき、素早い対応・介入ができる体制が必要である。オーストラリアに比べて、日本における虐待のサポート体制、広報活動等はまだ不十分であると思われる。3.St Louis Nursing Home(5月16日)~老人ホーム~(1)施設概要と老人ホームでのリフト使用についてこの施設は、アデレード市内の住宅地の中にある有料老人ホーム。全室個室で、45名入居可能、夫婦でも入居できる。室内には、シャワー、トイレ、ベッド、テレビ、自宅で使っていた家具、椅子などが置かれ、部屋には家族写真も綺麗に飾られている。職員構成は、施設長、看護師、介護士、理学療法士、調理員。施設は、自立、軽介護、重介護というようリフトを体験に、介護のレベルごとに建物が分かれている。ノーリフトポリシーでは、病院、高齢者施設などで、苦痛や危険を伴う人力のみでの移乗を禁止、患者や利用者の自立度を考慮した福祉用具使用による、移乗介助が義務付けられている。利用者の安全安楽な移乗、職員の腰痛予防として、リフト使用は重要である。現在、日本では重労働とされる看護介護職の人材不足が問題となっているが、その原因の一つであるこれらの労働環境改善の観点からも、より福祉機器の活用が必要となってくる。Ⅳおわりにデンマーク、カナダ、オーストラリアの高齢者施設を訪れて感じたことであるが、日本との文化や習慣の違いからか、高齢者本人とその家族とも人生最期への考えと想いが違うようである。暗いイメージの介護観ではなく、明るい介護観を持っていると感じられる。施設内にはゆったりとした時間が流れ、利用者も明るく朗らかな雰囲気をもつ人が多い理由として、国民性、経済面での安心感、生活の中である程度確立された自由、利用者側にある選択権、自己決定の尊重、また国の福祉制度、生活援助等も利用者主体にあるという点からなのではないだろうか。?95?