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れ、変化が馬に通じ、馬も素直に動いてくれる。基本の重要性を自身の身体で再確認することができた。そして、自分のやることに自信を持つ、プレッシャーは馬を征服するためで無く信頼と尊重を得るために使う、楽しんで取り組む、など考え方の指摘もあった。例えば、馬が意図しない方向に進んでしまったら1進む方向をきちんと決める。2決めた方向に進むのだと強い気持ちを持つ。3進む方向を心で馬に伝える。4腰、脚、手綱などで必要な扶助を行う。5馬が従ったらすぐに扶助をやめる。6馬を認めお互いに出来たことの喜びを分かち合う。この過程を繰り返していく。実際に私の後にVermaas氏が騎乗すると、まるで違う馬のように素直に動いており卓越した技術には目を見張るものがある。世界トップレベルの乗馬技術と思考方法を学ぶことが出来た貴重な経験となった。レッスンの様子4.Ride On Center for Kids(5月22日略称ROCK)~治療的な乗馬療法の施設~テキサス州のジョージタウンにあるこの施設はProfessional Association of TherapeuticHorsemanship International(略称PATH)の国際認定センターであり、American HippotherapyAssociation(略称AHA)のメンバーでもある。周りには広大な牧草地と施設用の放牧地が広がっている。アリーナの出入り口も開け放たれており開放的な空気が感じられた。現在のスタッフ数は20名、内13名がセラピストとして活躍しており、理学療法士やPATHの登録講師など専門性の高い人材を確保している。あとの7名は経営マネジメントやボランティアのコーディネイト、馬の管理など役割分担がなされている。ROCKに関わっている人たちは自分の仕事に誇りを持っている。ボランティアも例外ではなく自分の役割を果たすことに喜びを見出しているようであった。クライアントだけでなくスタッフの気持ちも充実させることのできる実践を継続しているとは素晴らしい。スタッフの気が満ちているからこそ、クライアントに素晴らしいセラピーを提供できるとも言える。始まりは15年前。1頭の馬、2人のセラピスト、4人のクライアント、それだけであった。それが現在は19頭の馬、20人のスタッフ(100人のボランティア)を擁する大規模施設となっている。アリーナの隣にある設立当初の施設は、掘っ立て小屋の厩舎といかにも手作りの丸馬場といった様子で、事務仕事は車の中でやっていたそうである。口コミでどんどんクライアントが増えたとのことで良い実践を続けている証拠と言える。〈セッション〉開始時の馬との触れ合い、終了時の挨拶を含めて1セッション45分、基本的にハンドラー1名、?55?