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うである。自然の保護や自然との共生は、町の未来のためでありそこに住む子供達のためでもある。そんな未来のための取り組みに対し積極的に取組んでいるbanff住民の姿は輝かしく見えた。(3)Rudolf’s Perspective偶然か必然か、休日のハイキングで一人の山岳ガイドと出会った。Ronna Schneberger、彼女は隣町Canmoreで北欧の「森の幼稚園」のコンセプトとシュタイナー教育のコンセプトを融合させた私立幼稚園と小学校を開設した役員の一人であった。Canadaにおいてはまだ斬新な取り組みであるが、地域の環境を有効に活用した教育が今地元の注目を浴びているようである。Canadaを発つ前に、是非見学したい意向を伝えたところ、幼稚園の見学と重ねてその夜に行われる小学校の保護者による定期ミーティング、保護者懇談会にも参加させてもらえるよう働きかけてくれた。そして当日、長距離バスでCanmoreへ向かった。予定外のことだったので、持っている情報は住所と電話番号のみ、現地に無事に辿り着くかどうか、ちょっとした冒険のようだった。バスの運転手に停留所を教えてもらい、そこから先はスマートフォンのオフラインマップを頼りに歩いた。ようやく到着すると、保育士のSabinaが出迎えてくれた。幼稚園は、教会の日曜学校の教室の一部を使用しているらしい。窓から入りテーブル人形でお祭りの様子を観る園児達込む優しい太陽光に包まれた室内は木材とフェルトを材料とした遊具に囲まれ、とても落ち着く雰囲気である。又、園児は7名と余裕のある環境である。その日の保育は、後日行われる地域のお祭りに関する活動だった。まずはテーブル人形を使って、お祭りの遊びを子供達に紹介し、その後実際に外で遊びを導入するという流れである。Sabinaの暖かい言葉がけや素晴らしい歌に包まれた心暖まる保育であった。その後、山岳ガイドのRonnaの家へ夕食に招待され、エルクのBBQを頂きながら地元Canmoreの教育環境の発展について話し合った。味わい深い郷土料理と意識の深い談話で満たされた食事会を惜しみながら、保護者懇談会の会場へと向い、保護者とスーパーバイザーによる密の高い議論に参加させてもらうことができた。Canadaで多くの出会いを通して知り得た保育・家族・生活・地域社会のあり方は、欧州の研修で体験したものとはまた違い新鮮であった。自然と対立するのではなく共生する中でたくましく生きる人々と別れを告げ、名残惜しくもBanffを後にした。これから研修最終国へ向かう。今までは、経度間での移動だったが、ここからはSan Francisco経由で南緯36°まで南下する。帰国までまだ1ヶ月もあると考えるだけで、日本食が恋しくなる。乗り継ぎで停まったSan Francisco空港ならそれなりのものがあるだろうと、空港の日本食レストランでラーメンを頼んだ。お世辞にも美味いとは言いがたかったが、久しぶりに口にした海苔とメンマの味に懐かしさを感じた。?33?