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理論で安全基地の重要性を提言している。話を戻すと、ムーミン谷の温かい家は、いわゆる安全基地の象徴なのである。ここでいう家は「いえ」ではなく「うち」という表現が適しているかもしれない。なぜなら、人は建築物だけではなく、所属する家族や自分自身をまとめて意味する「うち」に安心感や愛着を感じるのではないだろうか。家(うち)や家族に対する想いは、英語でもhouseとhomeという単語で使い分けられているように、万国共通なのかもしれない。当然Finland文化にも同じ価値観がある故にTove Janssonのメッセージが作品を通して世界を駆け巡った。残念ながら現在の北欧諸国では離婚率が高く、度重なる離婚再婚が複雑な人間関係や家庭環境を作り出している現状がある。Finlandも家庭内暴力や離婚の比率が先進国の中で高い。様々な家庭内の問題が結果として子供から「安全基地」としての家(うち)を奪ってしまっている現状は、Finland社会の課題であろう。ⅤCanada日本を発ってから1ヶ月が過ぎ、欧州における研修も無事に終結した。海外研修が始まって2度目の長時間移動である。FinlandのHelsinkiからFrankfurtを経由し、CanadaはAlbarta州のCalgaryに到着した。America大陸の地に足をつけるのは学生時代以来である。Canadaは、Englandに属する連邦立憲君主制国家である。欧州の植民地化による発展は、隣接したAmericaと共通した歴史を持つ。多文化ではあるが白人が人口の大半を締め、England・France・先住民の文化がCanada文化の土台となっている。又、社会保障が充実し世界でも有数な福祉国家であり、資本主義・市場原理が生活の土台となっているAmerica合衆国とは文化や価値観が大きく違うようだ。Banffの中心街さて、シャトルバスでCalgaryから更に北西へと向かう。360度広がる地平線の上にいると、大学時代に数年過ごしたIowa州の風景が思い浮かぶ。北西へ進むにつれ、緩やかなうねりからなる地平線の先に鋭い山々が姿を表した。ロッキー山脈である。Canadaの研修先は、ロッキー山脈の懐に位置するBanffという小さな町にある。手つかずの自然と野生動物に囲まれ、日本の東京のような都市の生活からは、想像もつかない程の生活環境である。しかし、その美しさに魅了され移住する人々が住民の大半を形成している。自然の保護と共生がこの町独特のエコシステムを作り出している。環境に関する規制が人口増加を抑制し町の規模を維持している。そして、その環境が町の主な産業である観光業を活性化させ安定した財源をもたらしている。?31?