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育が不可能な場合、その保育室が活躍する。研修の合間に、Bogebjergbornehaveと提携しているDag Pleje(保育ママ)の家に立ち寄る機会があったので、そのことについて少し付け加えておく。まわりには農園と森林、豊かな自然が広がる。家屋は100坪以上の敷地があり、テニスコート2個程の広さの庭園には季節の色と自然の実りに触れ合えるよう、リンゴや桜等の木々が点在し、砂場等の子供の遊び場に木陰を作っている。何とも心が安らぐ楽園のような環境である。Dag plejeの環境は、それぞれの家庭によって違うが、Denmarkの生活環境がそうであるように保育環境も広々としている。子供の健全な発達のために、又、現場での事故のリスク軽減などを考えても、日本の保育最低基準は是非とも見直されるべきところである。(2)子供の成長とリスクに向き合うということBogebjergbornehaveの一日は、野外での自由保育が主である。子供達が一日のほとんどを過ごす園庭の地形は、まるでモトクロスのサーキットのようにうねりが激しい。所々に砂場や遊具が点在し、その地形を添うようにトレイルが一つ二つ蛇行している。子供達は、ストライダーというペダルの無い自転車で、そのトレイルを暴走族のように走り巡る。危うく何回かひかれそうになったが、子供達はお互いに接触するようなことはなく、絶妙な間隔で躱し合いながらそのスリルを園庭をストライダーで駆け巡る園児達味わっている。その隣では、3歳程の子供が得意げに木登りを楽しんでいる。野外の自然物を使った遊びが多いからか、この施設の子供達の運動能力、体幹、平行感覚の発達にはつくづく感心した。もちろん、遊びが激しいだけ怪我が耐えないらしい。木登りでの落下事故の前例もあるし、今回の視察中にも園庭で遊んでいて打撲と出血の怪我をした園児が一名いた。ストライダーでの転倒、遊具で怪我することは日常茶飯事だとHansen施設長は言う。加えて「子供は、遊びの中で怪我を体験することで、自分自身のリスクマネージメントをすることができる。保護者からも理解と共感を得ている。」とコメントした。もちろん事故があった時には、そのケースについて関係者で話し合い、改善すべき点があるかどうか綿密な協議をする。子供の成長には怪我や事故というリスクがつきものだということを大人全員が、そして社会が受容しているようだ。しばらくするとPetagog(保育士)が絵本と敷物を持ってきた。丘の上に敷物を用意すると、園児たちが次第に集まり、絵本の読み聞かせが始まった。5歳児の子供がボードゲームを外に持ち出し、庭のベンチにゲームを広げ友達と一緒に遊び始めた。まるでピクニックのような光景がBogebjergbornehaveでは毎日のように繰り広げられる。?24?