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を思い出させる雰囲気があった。この部屋の目的は、心理状態や認知症状態が不安定な利用者を誘導して、認知症コーディネーターがカウンセリングや回想法を行うというもの。デイセンターでも各個人に合わせた介護が行われ、利用者にも職員にも明るく元気な笑顔が見られた。10. 4月25日12:30~14:00視察:Kernehuset(幼稚園)対応者:Gitte Kristensen(施設長)報告者:長田豊司閑静な住宅地の昼下がり、駐車場付近の保育室は昼寝の時間のようで、物音一つ聞こえない。フェンス越しに奥の園庭を覗いてみると幼稚園の年中・年長組の園児達が元気に遊び回っている様子が見える。広い敷地を贅沢に使えるおかげで、年齢相応の保育を干渉せずに行えるのは、土地を十分に確保できない日本にとって実に羨ましいことだ。Kernehuset(幼稚園)は保育園と幼稚園を共同に運営している幼児施設である。日本の幼保一元化したこども園とは違い、保育園施設には0歳乳児から2歳10ヶ月まで滞在し、その後幼稚園のクラスへ移動し、3 ? 5歳まで滞在する仕組みとなっている。基本的な保育時間は、朝6時15分から夕方5時まで、金曜日は3時45分となっている。視察中の金曜日も午後1時には数名の保護者がお迎えにくる様子がみられ、子供の保育時間は日本と比べると少ないだろうと思える。施設長のGitte Kristensenが施設案内をしてくれた。建物中央に子供の個人用のロッカーとホールがあり、そこを中心に各グループのクラスがある。朝の集会をホールで終えた後、子供達は年齢混合の約20名で編成された3グループに別れ、およそ2時間の時間の中で保育と昼食をともにする。グループは3 ? 5歳児混合の縦割り保育を通して異学年との交流を深めているようだ。クラスのすぐ隣にはトイレやマットがたくさん用意された休憩室、おままごと室があった。おままごと室は、保育士(大人)の干渉なく子供達だけで遊ぶこともできるらしい。昼食の後、3歳児とそれ以下の子供達は昼寝をする。それ以上の子供達は外遊びをする。隣接した保育施設には2つの大きな部屋があり、大きな食卓テーブルが配置されている大部屋と小さな遊び場がコーナーで分かれている。また月齢の低い乳幼児の昼寝用の部屋が設けられている。日本では考えられないが、なるべく外気温と同じ温度の部屋で昼寝させることで丈夫で健康な身体に育てるとのことだ。園庭は中庭と大広場があり、施設内からは長靴や防寒泥んこ用ジャケットの保管室を通じてつながっている。子供の活動と行動の流れを効率よく結ぶ工夫が見られる。園庭は芝生で覆われ、所々にごっこ遊びを展開できる小屋や遊び場がある。デンマークの幼稚園にも「言語」「運動」「自然」「文化」「児童個別の発達」「社会性」を軸とした教育要領があり、クラスでの保育活動は要領を基礎に決めるとのことである。?13?