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≪海外研修の成果等について≫1.研修の内容をどのように活かしているか研修を通して、当施設において各職種の「専門性の向上」と「チーム医療の確立」に取り組まなければならないと考えた。脊髄損傷は病態や合併症、使用する福祉機器の扱い等、どれも専門性が高い。そこで脊髄損傷専門の医療従事者の育成が必要であると考え、勉強会の定期開催を提案した。各職種で必要な脊髄損傷の知識や技術を高め、それを他の職種と共有し、脊髄損傷病棟のスタッフであるという自覚と知識?技術の底上げを図りたい。また、研修先では脊髄損傷病棟のスタッフは全員が褥瘡対策チームの一員であると位置づけられ、スタッフは各分野で褥瘡対策に取り組んでいる。当施設でも脊髄損傷病棟のスタッフを褥瘡対策チームメンバーとし、知識?技術の向上に努め、職種間での連携を図れるよう提案した。2.研修の内容を今後どう活かすか1シーティングクリニックの実施とPT配備?各国の施設には専門のPTが「シーティングクリニック」を実施し、快適な車椅子姿勢、及び褥瘡予防に寄与している。シーティングには客観的評価が重要であり特殊な機器が必要である。PTはそれら機器の取り扱いを理解し、得られた結果から適切な評価をする。日本の医療システムではPTは医師や看護師と共同作業でこのシーティングクリニックを進めていけるのではないかと考えている。機器は高額で導入は容易ではないが必要性の理解を働きかけ、専属スタッフでのクリニック実施を実現していきたい。2生活リハビリテーションと直結したPeerSupporterとの連携(常勤化)?特に充実していたのがPeer Supporterと呼ばれる先輩、脊髄損傷者の配備である。その殆どがボランティア活動ではなく仕事とし勤務しているため、手厚いサポートが出来るというのも当施設をはじめ日本との大きな違いである。当事者同士のコミュニティが発達し、生活に直結したリハビリテーションをサポート出来るのもPeer Supporterのメリットである。脊髄損傷者の活動の場を拡大する目的も含めて、当施設での常勤化を働きかけたい。3病棟への精神科医、心理士の配備?脊髄損傷は身体の変化が大きく歩行困難となるケースも少なくない事から、受傷?発症後に当事者は大きなショックを受ける。しばしばそれらが、リハビリテーションを進行していく上で壁になる事がある。この事から、病棟内への精神科医、及び心理士の配備が必要であると考えた。各国の脊髄損傷病棟には複数の精神科医や心理士、イギリスでは9名の精神科医が配備されチーム医療の一翼を担っている。当施設でも困難に直面している状況では精神科医や心理士が面接をすることもあるが病棟専属ではないため、患者に関する情報が共有しにくく問題が複雑化することもある。脊髄損傷病棟での多職種でのチーム医療を強化していきたい。3.今回の研修で得た成果について(日本の施設で導入?利用可能なもの)1ピアサポーターの常勤化(P59)2シーティングクリニックの開設(P56、P59)?67?