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らを裏付ける税金等の制度が違うのでそのまま日本に取り入れる事は難しいが、社会福祉国家の考え方(スピリット)だけでも学ぶ価値があると強く感じた。(5)驚くほど短い入院期間驚いたのは重度の頚髄損傷患者でも受傷(発症)から3ヶ月で自宅退院が可能であるということだ。RSSの平均入院期間は対麻痺(paraplegia)で6~8週間、四肢麻痺(tetraplegia)で8~12週間とのことであり、驚きの数字である。日本では施設差はあるものの、この2倍から3倍の期間は入院しているであろう。これも家屋改修費、若しくは新居の提供、および全てのケアプランが原則無料であるために実現する事である。ある外来の頚髄損傷者(完全麻痺、車椅子使用、移乗介助)とお話をし、印象に残った言葉がある。家族とは別居し自立した生活を送っていると聞き、「家族には家族の人生がある」という。日本では家族が仕事を辞めて介護することも少なくない。(6)自立(自律)心と自己決定権パーソナルアシスタント(介護者)と脊髄損傷者の関係に「自立(律)心」がある。PAは必要なケアはするけれども、必要以上に手を貸さないという立場でいる。今は手伝っている事もやがて一人で出来るようになることを目指している。ある外来患者に付き添っていたPAは「患者が自分自身で考えて達成することが大事である」と話されていた。また医療の中心に個人の自己決定権が位置づけられている。患者はリハビリテーションを受けているという受け身的ではなく、自分で決めて取り組むという能動的な立場でいる。それゆえ、患者は皆生き生きとし、笑顔でリハビリに取り組む姿勢が印象的だった。Ⅲイギリス(England)Buckinghamshire州Aylesbury~国立脊髄損傷センター~1.Stoke Mandeville Hospital(National Spinal Injuries Centre)(5月7日~5月23日)Key words:パラリンピック、自己決定権、患者教育、精神科医との連携、多民族?多様性この国の消費税率は20%、医療費は原則無料。(1)施設概要Stoke Mandeville Hospitalはロンドンの北西部BuckinghamshireのAylesburyにある。ロン?57?