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Ⅰはじめに知的障がい者入所施設で生活支援員として働き始めて8年が経過した。担当利用者の方々、事業所を利用されている方々、また、日本の障がい福祉がより良くなるためにはどうしたらよいかという思いで日々の業務を行ってきた。現在、私は入所施設で生活支援全般を支える業務に携わっている。担当である重度知的障がいを持つ男性利用者を通じて私自身様々なことを学んでいる。生きがいのある生活を提供したいとの思いで、日中活動、余暇支援、健康維持、ご家族及び地域との連携など多岐にわたって個別支援計画をもとにサービスを提供してきた。それらの支援の中で、人として当然持っているはずである性的欲求や興味関心についてあまり触れることはなくニーズを感じることはなかった。また、それらについての事例が取り上げられたとしても、それらを社会的不適応な問題として扱われ、当事者の感情が配慮されないまま解決に導こうとしている現状がある。その理由としては、1知的障がい者の性の権利が保障されていないこと、2社会全体でセクシャリティについてタブー視する傾向があること、3家族や携わるスタッフに知識や技術がないことが挙げられるのではないだろうか。障がいがあっても異性への興味関心、自身の性的欲求があることは当たり前で、それらを阻害しない環境や学びの場を提供することが人としての豊かさにつながるのではないかと考える。今回の研修で、セクシャリティについて積極的な取り組みが行われているデンマーク、スウェーデン、オランダの福祉現場を肌で感じ、具体的なアプローチやシステム、そしてそれらの国の文化や考え方を学ぶことで、日本で知的障がい者が性的欲求、興味関心について阻害されることなく、幅広く選択でき、セクシャリティと向き合うことができる方法を考えていきたい。また、各国の日中活動の場や生活の場を訪問して、日本の障がい者の暮らしがより良くなるよう学んでいきたいと考えている。なお、ここでのセクシャリティとは、性的欲求、興味関心や性行為について、また人間の生命や男女の生き方など、生命の尊重や人権の尊重の根本的考えであるという視点で捉えるものとする。ⅡデンマークSvendborg Kommune(スヴェンボー市)1.Center for Handicap~障がい者センター~(4月20日~4月30日)(1)Center for Handicapの概要Fyn島の南東部、アンデルセンの生まれ故郷であるデンマーク第三の都市Odenseから約50kmの?36?