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(2)あそびの支援「信頼と自立」を教育方針とするこの園は、子どもたちがじっくりとあそぶことをねらいとして、朝2時間半は子どもの自由なあそび時間を設けている。この時間には子どもたちは毎日同じことをしてあそんでもよく、絵を描くのが好きな子はお絵描きをし続けることになる。教師は子どもたちのあそびを妨げないよう配慮するが、その子がどのようにあそんでいるかは注意深く見ていき必要に応じて声をかけることもあるとのこと。実際、保育士は毎日の一人ひとりの子どものあそびについて、何をどのようあそんだかを記録をとっていた。この園がいかに子ども自身の意思や自分でしようとする力を信頼してあそびの時間を保障しているかを実感することができた研修であった。Ⅵおわりに今回4か国7か所の保育園と幼稚園での研修を終えてみて、それぞれの園が違った保育環境にあり、また保育内容についてもかなりの特徴を持っていたことが分かった。思えば、最初に訪問したデンマークの農場幼稚園と最後に訪れたフランスのモンテッソーリ幼稚園とは全く対照的な保育環境であった。しかし、どちらの幼稚園でも子どもたちは自分であそびを選び、自分の意思であそび続けることが保障されていた。それは今回研修した7つの幼稚園・保育園にも共通しており、保育士は高い専門性を持ってあそびを中心にした保育を実践していた。またどの国においても幼児教育そのものが重要視されていたことが強く印象に残り、保育の専門性とは何かについて改めて考えさせられた。その国の歴史や文化に違いはあっても、「子ども自身が決めて行動することを尊重し、自分で考えていく子どもを育てる」ことはどの園にも通じた保育観であった。それを具体的な経験を通して実際に知ることができた今回の研修は、本当に貴重で有り難いことだったと思う。我が国の保育指針は、子どもの最善の利益を尊重する立場で書かれている。日本と欧州の保育現場はかなり違うところもあるが、今後も「子どもにとって」の視点を見失うことなく、この研修で学んだことを少しでも多く子どもたちに還元していけるよう、日々の実践を大切に行っていきたいと思う。最後に、このような貴重な研修の機会を与えてくださった公益財団法人中央競馬馬主社会福祉財団の皆様には心からお礼申し上げます。また合同研修という素晴らしい場を提供してくださり私たち41回研修生を温かく迎えてくださった、日欧文化交流学院千葉忠夫理事長、銭本隆行学院長に深くお礼申し上げます。さらに今回の個人研修を快く受けいれてくださったKaren Moller?28?